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数年前に実際に当社が管理している空き家の隣に住むご主人から言われた言葉です。 |
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「空き家のままにされてちゃ困るんだよ。放火されちゃ迷惑だから売るか貸すかさせろよ。」 |
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実際にはもっときつい口調でした。 |
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当時、私はこの言葉を聞いて愕然としたものでした。 |
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実はこちらのご主人はその空き家が所在する自治体の職員(課長クラス)。 |
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正直な気持ちなのでしょうが、 |
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一般の人よりも法律に接する機会が多いはずの公務員がこのような発言をしてしまうのが今の実状です。 |
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所有者が当社に依頼し、当社が空き家を管理するのは、ご近所に迷惑をお掛けしない為なのですが、 |
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この人にとっては当社も所有者に加担する悪しき存在なのかもしれません。 |
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空き家の管理を業として行なっているとこのような場面に度々出くわします。 |
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この現象は昨今のマスコミ報道にあるのではないかと私は考えています。 |
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管理されていない空き家が近隣住民に迷惑を掛けています。 |
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空き家の法律が出来て、自治体が積極的に介入できるようになりました。 |
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テレビ・新聞等で報道される空き家問題は概ねこのような論調です。 |
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限られた時間、限られたスペースで語られる空き家問題。 |
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それがいつのまにか「空き家にしていること=悪」という印象を与えてしまっているような気がします。 |
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日本には「空き家を空き家のままにしておいてはいけない。」といった内容の法律は、 |
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私が知る限り存在しません。 |
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つまりは他人がとやかく言うべきものではないのです。 |
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ただし、例外があります。 |
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それはその空き家の管理についてです。 |
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空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、 |
周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、 |
空家等の適切な管理に努めるものとする。 |
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平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」ではこのように書かれています。 |
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空き家は所有者が周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないように適切に管理しなければなりません。 |
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もしそれが守られていない場合に限っては、近隣居住者は所有者に対して適切な管理を求めることができます。 |
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しかも、空き家のままにしている人には様々な事情があります。 |
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「どうして売るか貸すかしないの?」 |
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文句を言う前にその理由について少しだけ考えてみませんか? |
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